life is crazy だけどamazing

A.B.C-ZとHey!Say!JUMPとTravisJapanのピンク

伝承者になるということ ABC座 ジャニーズ伝説2019

今年も10月がやってきて、ABC座が日生劇場にて行われた。

演目は「ジャニーズ伝説2019」

ジャニー喜多川さん構成・脚本・演出で2013年の初演、2014年の再演後、2017年からはより史実に近い形で公演を続けてきた、今回で8回目となるABC座の中でも大きな構成要素となる作品である。


今年はそんなジャニーズ伝説を上演するに相応しすぎる、というか今年上演せずしていつ、というほどに、幕が開く前からその価値は見出されたものだった。



2017年から、ジャニーズ事務所の最初のグループ、ジャニーズの結成から解散まで、特に渡米中を中心にジャニーズ事務所の流れを追い、A.B.C-Zによる歴代ジャニーズソングメドレー、というのが大まかな流れであった。


昨年のジャニーズ伝説2018では、ジャニー喜多川さんはこの作品を「嘘がない、完璧なストーリーだ」と評価し、
昨年はこの作品を経て「僕はA.B.C-Zのファンだ」とまで公言した。




2017年にジャニーズ伝説が帰ってきて、2018年も引き続き再演が決まって、「ジャニーさんの走馬灯を見てる」「多分今後いつかジャニーさん死ぬまでずっとこれなんじゃん?」
と好き放題言っていたが、その「いつか」はあまりにあっさりと訪れてしまった。









今年、昨年までと大きく変わった点として、「ジャニーさん役の存在」がある。
昨年まで私の推しである戸塚祥太さんが演じていたジャニーさん本人役は今年はなく、戸塚さんは「語り手戸塚」として登場した。

そもそもジャニーさんが手がける舞台作品の中で、ジャニーさんを「連想させる」キャラクターは多く存在したが、本人役が登場する作品は少ない。ジャニーズ伝説の中でも2013年の初演からいたのではなく、2017年から新しく登場した役であった。





当時を知るジャニーさんから事実が聞けぬまま、完全に実話として上演するべきではないし、どうしても大々的に「追悼公演」になってしまう今回、大きくジャニーさんの存在を主張することを、ご本人は望まないんじゃないか、
そんな考えで今年はジャニーさん役は無しになったという。

ジャニーさんの発言で展開していた部分は全てジャニーズ4人の発言に変わっていた。



確かに、形に違和感はなかったし、語り手の存在によってジャニーズの物語は一種の劇中劇のようで、その展開を一歩外から観たような感覚になった。




とはいえ、ジャニーさん役から語り手(劇中でのバリー・ディボーゾン役は続投)という役所に変わった戸塚さんは、完全に他の4人とは別世界の住人であった。

役とはいってもそれはやはり悲しくて、1人だけA.B.C-Zではないような感覚で、1幕の終わりで頭がぼんやりとしてしまった。




わたしが観劇したのは10月16日、幕が開いて1週間と少しが経ったときだった。
今年は出演者に変更があり、比較的舞台経験の浅いジャニーズJr.の出演もあってか、まだあまり、話の転換が洗練されていなかったような物足りなさを感じた。
(これは多分、私が2017.18と出演していたTravisJapanのファンであることも大きく関係していると思う)





それから公演が続き、ついに千秋楽を迎えた。
わたしは一度きりしか観劇ができなかったけれど、その時に感じたモヤモヤとした気分は大方晴れていた。





初日、KinKi Kids堂本剛さんによって作られ、おそらく今後ジャニーズの社歌的な存在になるであろう楽曲『You…』が初披露されたことや、そもそも話題性のありすぎる舞台であることで、ジャニーズ伝説2019は大きな注目を受けた。




数々の報道を見るうち、自らファンを公言していたジャニーさんは策士だな、と思った。
A.B.C-Zにジャニーズ伝説を演じさせる、ということ。すなわち自らの人生を彼らに再現させるということは、本人の死後、A.B.C-Zの中に「ジャニーズ」を宿らせる最大のご褒美であり、遺言だったのだ。

そして、A.B.C-Zに残されたそれは何よりも本人たちから痛いくらいに感じられたように思う。


ジャニーさんがA.B.C-Zに託した世界観、舞台上での輝き方、エンターテインメント観を、「ジャニーズの未来」であるジャニーズJr.に明確に示していた。


そしてYou…、先ほど「社歌的な存在になる』と書いたが、私にはこの曲が今後どのような立ち位置になるかはわからない。
そもそも、この曲を作った堂本剛さん、制作をお願いした河合くん、そして演出を手掛けた滝沢さんが今後どのような意図でこの楽曲を使用しようと考えていたのかが分からないので、なんとも言いようがない。
ただ1つだけ、私が実際にパフォーンスを見た感想としては、この作品は完全に「ジャニーさんとタレントの歌である」ということだった。

近年ジャニーさんの手がけた作品のほとんどに出演してきたA.B.C-Zのパフォーマンスは、本当に目の前にいるジャニーさんに向けて歌っているようで、その時だけは、そこは舞台上なのに、取材のカメラでも、観客でもなく、目線は常に「いつも通りにGC席に座っているジャニーさん」に向けられていた。
幕が空いてから2幕が終わるまで、常にどこかにジャニーさんが存在していた。A.B.C-Zの5人が意図してか無意識にかは分からないが、間違いなく「今ここにいるな」と感じたし、その「存在」をA.B.C-Zが愛おしそうに見つめているかのような、そんな光景だった。


2幕は前作と同じく全てショータイム。フォーリーブスからKing & Princeに至るジャニーズグループの楽曲のメドレー、そしてABC座メドレー、そしてYou…だった。
前作から変更されたのはえび座メドレーとYou…、そして使用曲が原曲になったこと(前回まではジャズアレンジ〉と、曲目だった。

自ら「ジャニーズ大好きジャニーズ」を公言する河合くんの選曲はなかなか秀逸だったように思う。

代表曲やデビュー曲を避けつつ、シングルやアルバムのリード曲、という枠からは外れない。
「ジャニオタをやったことがある人」なら絶対に楽しい選曲だった。

私は主にHey!Say!JUMPとNYCを通ってきたオタクなのでDreams come true(私が入った回は五関様が腕を左右に広げてひたすらバタバタ動かしていた)とユメタマゴはめちゃくちゃ楽しんで見ていた。
それ以外にも$10(愛にはお金がかかるはしちゃんえろすぎ)、気まぐれONE WAY BOY(プレゾンのふぉゆのイメージが強すぎて辰巳さんが頭の中でサクシースマイルしてた)等々、「そこくる!!???でも知ってる!!!!!(進研ゼミ)」となる曲が多かったのは、常々「ジャニーズのファンであるすべての人に見てもらいたい」「ジャニーズの始まりとこれからの物語」というコンセプトにぴったりだったと思った。

そしてABC座メドレー。
ネタバレをギリ回避して1週間程逃げ回っていたので、A.B.C-Zトンデモ機構軍、No. 1にして最恐のサーカスマシーン、5Starがお目見えした時に軽く泣いた。
5Starの存在は知っていたし、Jr.が乗っているところは見たことがあったが、意味のわからないスピードで回るそれを見て言葉を失った。(途中まで命綱なしだし。死ぬよ!!!!???)
5Starから降りて颯爽と歌い始めるのもヤバかった(ここへきて崩壊する日本語)サポーターズはやっぱり名曲。


一幕で自担の登場シーンの少なさからのショックで幕間にガチ泣きした(そして友人と周りの方々を困らせた)私だったが、二幕はそんな心配も全て晴れた。



戸塚さんはA.B.C-Zとして、ジャニーズの楽曲を歌っていた。それだけのことがとても嬉しかった。


A.B.C-Zがジャニーズの歴史を象徴するメドレーを、数々の会場で、華やかな演出で歌われてきたであろう名曲の数々を、セットのほとんどない日生劇場の舞台でジャニーズJr.と共に歌い、踊っている姿がとても美しかった。















2019年という年はジャニーズ史上決して忘れられることのない年になってしまった。
そんな2019年に、「ジャニーズ伝説」を上演する意義を考えさせられた。
公演中、ジャニーズJr.のアドリブシーンが多くあった。
もちろん上手くいかない時もあって、微妙な空気が流れたりもしていた。それでもA.B.C-Zの5人はアドリブを求め続けたし、後輩が回収しきれなくなったところは全て回収した。
舞台の上での楽しみ方は舞台の上でしか教えることができない。
それを明確に教えようとしているように感じた。







「誰が1番愛されていたか」とか「誰が1番押されていたか」とか、そういうことを言うつもりは毛頭ないが、
「ジャニーズのなんたらかを継承するのはA.B.C-Zだ」
という、ジャニーズ伝説2017を初めて観劇した時からぼんやりと考えていたことが、確信に変わった気がした。









私はA.B.C-Zが好きなので、良いようにとっているだけかもしれないけれど、
「後輩を育成する側に回ってしまうのではないか」
という不安が私にはあった。
後輩を育てるということは、必然的に自らは一歩後ろに引く、ということだと思っていた。
しかし私の勘違いだったようで、
A.B.C-Zは自分たちが舞台を第一線で楽しむことで、後輩にその「楽しさ」を教えようとしていた。














A.B.C-Zは、ジャニーズのエンターテイナーで間違いなかった。